インテリアフラワー・オルキス
オルキス通信Web版 2005夏号別冊 Updated June 6, 2005
  


花の仕事とはどういうもの?!フラワーデザイナーにインタビューを敢行しました!!

今井先生はとてもシャイな方なのです。
そのあたりを配慮して写真は少し小さめに?!
ゲスト/フラワーデザイナー 今井 かおる   インタビュアー/濱名 玲子(オルキス)
  
 テレビ局スタジオ内での花の仕事      
濱名 まずはテレビ局の話題で・・・。これを読んでくださる皆さんも興味があると思いますので(笑)。
今井 やり始めた頃はテーブル花が主でした。あまり深く考えずにテレビの仕事を引き受けたものだから、わけも分からずただ自分が良いと思うデザインに仕上げてました。カメラリハーサルを見たり、本番で照明が当たって、花がカメラやテレビ画面の中でどんな風に映るのかを、しっかり自分の目で確かめながらやっていましたね。特に誰からどうしろと言われることもなく、そんな風に仕事をやっているうちにいろいろ気付くことが多かった。
濱名 今までに印象に残ったテレビのお仕事というとどのような事が?
今井 やはり失敗した事なんかよく覚えてます。本番中に花がコケた(笑)、とか。パタッと倒れるところがテレビカメラにしっかり写ってました。あと、本番中に器から水が漏れてチョロチョロと流れ出している音がテレビ画面からも聞こえてた、ということもありましたね(笑)。
濱名 聞くところによると最近、桜をスタジオにセットする仕事があったらしいですね。トラックで山から運ばれた何十本もの桜の木を撮影の時に合わせて花が咲くように工夫したとか。普通に考えると「無理です!!」って断ってしまうお仕事なんですが・・・。
今井 私は、依頼があれば何でもしますよ。だって、言ってくれるのは大変嬉しいことだし、「出来ない」ということは「自分には能力が無い」と言ってるのと同じような気がするんです(笑)。
濱名 現在、先生はどれぐらいの数の番組に関わっていらっしゃるのですか。
今井 番組数は週に15本ぐらいかな。特番もあったりで、作業の時間は昼も夜も関係なし。我ながら今までよくやってこれたなと思いますね。今は、お店の若い子たち(スタッフ)になるべく任せるようにしています。この仕事はとても勉強になると思うし、やりがいを持ってやってくれているので、私は専らサポート役に徹しています。

上のデッサンは今井先生が描いたたくさんの作品の一部です。表現する者として、こういう技術も必要なんですね。
  
 外国での勉強・旅行・・・そこで得たものとは       
濱名 次は外国のことについてお伺いします。先生はいろんな国に行かれているそうですが?
今井 何かにお尻を叩かれてるみたいに(笑)、毎年のように海外に勉強しに行きましたね。私が若い頃は、生け花をする人は多かったんですけど「フラワーデザイナー」と名の付く職業の人は(日本に)いなかったんです。だから、見習いをして勉強するなどの機会も全く無くて、お花屋さんで仕事をしながら自分なりに一生懸命いろいろ考えるんだけど、そのうちだんだん自分の持ってるものが無くなってきちゃって、ある時とうとう頭の中がスッカラカン状態になったんです(苦笑)。それを何かで穴埋めしない限り、先には進めない気がしていたし、自分の頭、物の考え方を柔軟にして、どんな仕事にも対応できるようになりたくて、海外で勉強しようと決心しました。それからはいろんな国に行って、いろんな先生にお会いしましたよ。
濱名 それで外国での勉強はいかがでした?
今井 外国の先生には、おもにお花に対する姿勢、心意気だとか、考え方や教え方を学びました。ただし技術面に関しては、それまでにお客様の要望を叶えるための努力を自分なりにしてきたわけだから、そこ(外国)であらためて技術的なものを教わりたいとは思わなかったんです。
濱名 ―――私も一度、ドイツの学校(国立花き芸術専門学校ヴァイエンシュテファン)で勉強させていただいたんですが、技術的なことよりもっと大きなものを学んだような気がします。お花を器に入れるにしても、感覚が全く違うというか・・・。授業中、先生から「そこの庭から好きな花を取って来なさい」って言われたり、2メートル以上ある大きな木をアレンジに使わせてもらったり・・・、スケールが違うなァって感じましたね。
今井 学校は技術や知識を教えるところであることは当然だし、それを学ぶのはもちろん大切なんだけど、それだけじゃなくて先生の教え方、指導方法も見ておくとすごく良い勉強になりますよ。
濱名 その延長で(笑)先生の趣味も外国旅行だそうですね。近々(6月上〜中旬)北欧10カ国ぐらい豪華客船で廻るんですね。
今井 今回は姉といっしょに。北欧クルージングです。もし、私に体力と時間があれば、大自然やあらゆる世界遺産を見てみたいですね。モアイ像とか何でも見たい。過去の人間が創造した物の偉大さを実感してみたいんですね、生きている間に(笑)。でも、今の人間が建てた物にはあまり興味はありませんけど。
濱名 文化圏はあまり興味が無いと(笑)。そういえば先生は大きな船での旅行が多いですね。
今井 船の甲板に上がって、360度全部が海だと、「人間はなんてちっぽけな存在なんだろう。」って、感動しますよ。それで「ちっちゃなことでクヨクヨしてはイカン!」と思うんですね。
濱名 たしか、前回はアラスカ旅行。その前は・・・。
今井 スペインのカナリア諸島に行きました。15日間のクルージングです。
濱名 その時の写真を私も見せていただいたんですけど、何か見たこともない植物やエビとかが写ってました。同じ地球上の世界とは思えない光景でしたね(笑)。
今井 深海にしかいないはずの白いエビがそこで見れたので撮影したんです。でもね、珍しいから皆さんに見せるんだけども、やっぱり写真は写真なんです。皆さんには実物を見てもらいたいなぁ、って思います。ブランド物のバッグを買うのも良いけれど、そのお金で船の旅を楽しむというのはいかが(笑)。

左の写真はフラワーサロン・ルンルでのレッスンの一コマ。左から2人目が今井先生です。生徒の皆さんも真剣に課題に取り組んでいます。
  
 お花の仕事をする人にとって大切なこと      
今井 私がお花の仕事に就いたのは20歳ぐらいの時です。学校の紹介でお花屋さんに就職しました。その当時は、将来自分がまさかフラワーショップを経営するようになるなんて想像もしてませんでした(笑)。その後、24、5歳頃からフリーの立場で活動を始めました。アレンジメントの教室を開いて生徒さんに教えたり、知り合いのお花屋さんで結婚式のブーケ作りを手伝ってあげたり・・・そんな感じでした。
濱名 先生にとって、お花の仕事をするのに大切なことって何でしょうか?
今井 お店にいらっしゃるお客様に関して言うと、これは極端な例ですが、一輪のお花を買いに来られるお客様も、何十万円もの仕事を依頼してくださるお客様も同等と思っています。大切なお客様であることに変わりはありませんから。そしてお花に関しては、濱名さんもドイツで学ばれたように「この花を自分の手でどうにか料理してやろう」といったおこがましい気持ちじゃなく、お花の尊い命を預かって仕事をさせていただいていることに感謝し、「その命を大事にお客様に伝えていきたい」という気持ちを持つことが大事。そういうことですね。
濱名 本日はお忙しい中、お付き合いくださいましてありがとうございました。
取材協力/北川 春美  構成/籔野 幸司
収録場所/あいあいパーク(兵庫県宝塚市) ティー&レストラン『シノワーズ』


フラワーサロン・ルンル

今井 かをる
フラワーサロン・ルンル主宰
NFD(日本フラワーデザイナー協会)講師、同審査員
1級フラワー装飾技能士 ほか

フラワーサロン・ルンル
所在/大阪市淀川区東三国6−1−40(1F) 地図
Phone/06-6391-8212
営業時間/10時〜19時(ただし日曜は17時迄、祝日は18時迄